スケッチ刺繍（静かの森）

残暑きびしい、いえ真夏日のつづく９月初旬、
遷都１３００年の奈良へ行ってきました。

玉のような汗を流しながら歩いたのですが、
どこへ行っても並ぶことなく、人の頭ごしに拝観することもなく、
とても贅沢な観光ができました。

桜井線を近鉄大阪線に乗り換えて室生口までの電車では
不思議な体験をしました。
電車の音はけっこうにぎやかなのに、窓の外の木、森、山の
風景からシーンとした空気が車内まで流れ込んでくるような感覚、
山の中にどんどんひきこまれていくような気持ち良さ・・・
ひとりよがりの思い込みだったかも知れませんが・・・

朝の室生寺境内では、女性的な姿で人気のある十一面観音や
鎧坂を独り占めしてきました。
外界はとっても暑い日でしたが、室生の森はまさに
”静かの森”で、いい風が吹いていました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~ By okko ~~~

パリ美術館めぐり（ルーブル・マニアック編）

せっかく来たのだから、一応はひととおり見てまわりたいけど、
どれもこれも名画、名品ばかりだと、ちょっぴり食傷気味になります。
そこで、やっぱり面白おかしく楽しもうと、ルーブルをお気楽に観賞してみました。


ミロのビーナスに向かう途中、愛らしい肉球の上に頭をのせて
うたた寝をしている珍獣。


う～頭が痛い・・・


みぃつけた～


お花と蝶でした。


落書きしたいんだけど・・・ちょっと届かない・・・

このあたりの作品は、ほとんどがリシュリー翼にありますので、
人気のドノン翼だけでなく、ぜひ足を伸ばしてみてください。

毎週水曜と金曜は、夜１０時までやっていますので、美術館めぐりも疲れますから
早めの夕食でスタミナをつけましょう。
入場券は一日出入り自由ですから、パレロワイヤル方面へ向かって
ラーメンひぐまさんへ。


パリでこんなに美味しい、札幌味噌ラーメンが食べられるなんて、
ありがたい限りです。


やはり慣れ親しんだ食事は、疲れもとれ、元気が戻りますねぇ・・・


食後、ルーブルに戻ったら、今度はシュリー翼の地下へ。
ここは中世のルーブル、ルーブル宮の土台が見られます。
上の華やかさとはうって変わって、がっしりとした素朴な土台ですが、
この上に何百億の芸術品が乗っかっているのだろう、と思うと
感慨深いものがあります。


最後の最後は、美しいマリア像の前で。
またいつか来ることを誓って、しばしのお別れを告げました。

パリ美術館めぐり（ルーブル王道編）

赤瀬川原平さんの著書に
　「ルーブル美術館はパリのメインディッシュだ。その重み、味わい、栄養価、噛みごたえ、
　　満腹感など、『これで充分いただきました』という気持ちを与えてくれる。」
という記述がありますが、その言葉は訪れるたびに実感できます。
実際には、すべてを味わう時間は、到底ないのですが、少しでも多く、
体力の続く限り見てまわりたい、そんな場所です。


まずは建物の美しさを、じっくり眺めましょうか。
この中庭に立つと、今、世界中の美術品に囲まれている、という気持ちで
鳥肌が立ちます。
ピラミッドのパワーなのかどうかはわかりませんが、この高揚感は本当に幸せです。


ルーブルといえば？の問いに、行ったことがない方は「モナリザ」、そして一度でも
行ったことのある方は「サモトラケのニケ」と答えるのではないでしょうか。
美しさ、迫力、繊細さ、そしてそこに差し込む自然光のやわらかさは、
目にも心にも焼きついて離れません。


この方も、美しさでは負けておりません、「ミロのビーナス」。
どの角度から見ても美しいからでしょう・・・ぐるりと一周まわれるようになっています。


絵画の大作はなんといってもダヴィッドの「ナポレオン一世の戴冠式」。
全体を撮るのは、人だかりもあって不可能に近く、今回はジョセフィーヌをクローズアップ。
大きさだけでなく、細部の美しさ、陰影、構成の巧みさなど、さすがです。

この近くにはモナリザもありますが、やはり一番の人だかりなので、
写真はプロの方にお任せしましょう。
このあたりまでが、超有名どころが集まったドノン翼で、その後、反対側のリシュリー翼に
まわると、人も少なくゆったりと観賞できます。

リシュリー翼の贅沢シリーズ。

その１　　ナポレオンの居室（食堂）。
ここで何を召し上がるのかは、想像にかたくないところ。
肌寒くなった今日この頃、肉じゃがとか食べたいですけどねぇ・・・


その２　　ルーベンスの部屋。
目を疑うほど、この部屋の壁すべてがルーベンスの大作で埋め尽くされています。


その３　　フェルメールを独占。
かの有名な「レースを編む女」を含む数点の作品を、誰もいない部屋でのんびりと
観賞できます。
日本に来たらありえない、信じられない現実でした。

ここまでくると、もうお腹いっぱいという感じなので
後半は軽く流し見を・・・


しかし、そこら中に言ってみれば無造作に置かれている彫刻でも、この美しさ。
ルーブルはやはり、パリ観光のメインディッシュでした。

ユーロスターに乗る

ロンドン・パリ間は飛行機でも１～２時間と、国内線レベルの移動時間ですが
どちらの空港も郊外にあるため、都心の駅から簡単に乗れるユーロスターは
ビジネスマンにとっても、旅行者にとってもありがたい乗り物です。


まずはロンドンのセントバンクラス駅へ、勝手がわからないので少し早めに
到着するとしましょうか。
地下鉄のピカデリーラインですぐですから、ロンドン市内のどのホテルに泊まっていても
荷物が多かったとしても、問題なしというありがたい立地です。


駅の中はこんな感じ。
広くて、きれいで、自然光がやわらかく、大変心地よい空間です。
ユーロスターの入口を確認したら、とりあえずロンドンとの別れの一杯を。


駅構内のレストランバーで、GREENE　KING　IPAを。
ビールは人によって好みがありますから、これが美味しいとはいえないのですが
間違いなく、今回の旅での一番お気に入りのビールでした。
次にロンドンに来るときは、たとえユーロスターに乗らなかったとしても
セントバンクラス駅には、遊びに来てしまいそうです。


その後は、飛行機と同じような手続きを経てホームへ。
最近はEU内は、ほとんどノーチェックという国も多いですが、ここはしっかり
パスポートチェック、荷物検査などなど国際線飛行機に乗るのと同じ手続きが
ありますので、やはり早めにいかれることをお奨めします。


そして、車内はこんな感じ。
フツーのお値段の座席でしたからでしょうか、いたってフツーの電車です。


ランチはセントバンクラス駅で、あらかじめ購入しておいたパンとジュースで。
どちらもなかなかの美味でした。

そしてしばらくすると、長いトンネルになりますので、旅の中間の疲れと寝不足を
ここで解消しておきましょうか。
３時間前後のつかの間の休憩です。


パリ、北駅へ到着。
ものすごい人の雑踏と、暑さに負けそうになりながら
とりあえずタクシー乗り場の列へと向かいます。

紳士の国ロンドンから来た観光客にとって、パリの玄関はあまりにも下町でしたが
それはそれで、また魅力的でもあり、ユーロスターはオリエント急行の世界とは
かけはなれていましたが、きっとまた利用するだろうな、と思える親しみやすさが
ありました。